故郷のA病院は国立だ。
以前にも書いたがわたしの通っている中学の学区内に
建物がある。
入院したのは16才。高校1年の頃。
同室になった他の3人はみんな大人で、
身の回りのことをそれぞれ整然とやっていた。
わたしは親元を初めて離れて
窓の景色に中学の同級生のお家を見て溜息をついた。
わたしは病棟で最年少だったので、
「可愛いねぇ」と可愛がられたり、
また片づけが下手だったので、
「お家でやってこなかったんでしょ」と
いびられたりもした。
年の近い子は妙に潔癖症でそばに近寄ってほしくない、
そういうそぶりを見せていた。
また、昼間から眠っていると、
「夜、眠れなくなるよ」と暗に起きなさい、と
せっつかれたりした。
何せここは「退院したい、って言わなくなったら退院だよ」
とわけのわからない説明を受けて、
自分では何一つ決められないのだった。
一週間で退院できると思い込んでいたわたしは
いつ退院できるか「わからない」状況にショックを受けた。

Jugem用GEDC1320.jpg

「看護婦さんの言うことをきいて
規則正しく暮らすこと」「自主性を持って行動すること」
当時のわたしにはわからなかった。
布団に潜って時間をやりすごしたかったのだが、
それも許されない。
自宅から持ってきてもらった赤毛のアンは
自宅の自分の部屋以外では読み進めなかった。
病院のテレビは他の人々のチャンネル争いに
勝てなかった。
また冬場だったのに、暖房の工事が始まっていて、
北側が終わって南側の病室の工事になっていた。
なぜ、暖房が必要な時期に工事なんてするのだろう。
病棟はむかし結核患者専門の病棟だったらしく、
南側の部屋でも寒々とした印象の古い建物だった。
入り口は障子戸だった。
わたしは障子に穴を開けてしまい、
年末の大掃除の時期に穴を埋めるように張替えの作業をした。
暖房が完備されるまでテレビ室にこたつが設置されていた。
工事に関係のない部屋のひともこたつにあたっていたが
「わたしの部屋が暖かくないもの!」と
無理からこたつを使用していた。
おやつを奪い去っていく勢いのあるおばさんに誰も逆らえないのだった。
こたつもまた同様に彼女の思いのままだ。誰もつっこめない。

そうして入院生活を送っているわたしに
アカシジアが襲うようになる。その話はまた、別の機会に。


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